井伏鱒二
井伏 鱒二(いぶせ ますじ)
1898年(明治31年)- 1993年(平成5年)
日本の小説家。本名は井伏 滿壽二(いぶし ますじ)。
広島県安那郡加茂村(現・福山市)生まれ。
筆名は釣り好きだったことによる。
井伏 鱒二(いぶせ ますじ)
1898年(明治31年)- 1993年(平成5年)
日本の小説家。本名は井伏 滿壽二(いぶし ますじ)。
広島県安那郡加茂村(現・福山市)生まれ。
筆名は釣り好きだったことによる。
当山第四十二世 阿部道山大和尚は昭和十六年に小栗上野介の事蹟を詳しく研究し、伝記として世に問うたのです。この著書は、天皇、皇后両陛下にも海軍省を通じて献上され、ご台覧の栄に浴しました。
海軍が推挙したのは、上野介が逆賊ではなく、日本海軍の生みの親であり、近代日本の黎明を担う愛国者であったことがこの著書で立証されたからです。
文豪井伏鱒二氏は、『本日休診』などの小説で知られていますが、この阿部道山和尚をモデルにして『普門院さん』という実名小説を昭和二十二年に発表しています。
内容は、道山和尚が上野介の首を切った実在の人物を鎌倉に訪問し、詰問する情景がえがかれています。井伏氏は、この小説が生まれたいきさつをこう語っています。
「私が戦争中マレーに徴用されていたとき一緒にいて仲がよかった人が阿部道山住職の甥で、戦後もよく二人で飲みました。その人から『小栗上野介正伝』を貰い、興味をもったので小説にしたわけです。冤罪を晴らそうと熱意に燃える住職の姿を、横から見た目として書いたものです」